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“UI”って何?ユーザー体験を左右するインターフェースの基本

2024年11月19日

導入

UIとは何か

UI(ユーザーインターフェース)は、ユーザーがデジタル製品とやり取りする際に使用する視覚的および物理的な要素を指します。例えば、ボタン、アイコン、メニュー、テキストフィールドなどが含まれます。例えば、お金を引き出すのにする使用するATMの取引画面、FaceBookやinstagram、XなどのSNS、会社のホームページ、飲食店で注文を行う際使用するタブレット式のメニューなど、普段何気なく使用しているサービスやアプリで、私たちは無意識にUIに接しています。UIの目的は、ユーザーが直感的に操作できるようにし、スムーズな体験を提供することです。

この記事では、UIの基本概念からその重要性、UIとUX(ユーザーエクスペリエンス)の違い、具体的なデザイン例までをわかりやすく解説します。

UIの基本概念

UIの定義

UIは、ユーザーとデジタル製品の間のインターフェースであり、ユーザーが製品を操作するための手段を提供します。具体的には、視覚的な要素(ボタン、メニュー、アイコンなど)や物理的な要素(タッチスクリーン、キーボード、マウスなど)が含まれます。

UIの歴史と進化

UI(ユーザーインターフェース)はコンピュータの発展とともに進化してきました。初期のコンピュータでは、コマンドラインインターフェース(CLI)を使い、ユーザーはテキストコマンドを入力して操作していました。1980年代に登場したグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)は、アイコンやウィンドウ、マウスを使った直感的な操作を可能にし、一般ユーザーにも広く受け入れられました。21世紀に入り、タッチスクリーン技術が普及し、現代の私たちになくてはならないスマートフォンやタブレットの登場で、タッチジェスチャーによる操作が一般的になりました。さらに、音声認識技術の進化により、SiriやAlexaなどの音声アシスタントが普及し、音声での操作が日常化しました。また、VR(バーチャルリアリティ)やAR(拡張現実)といった新しいインターフェースも登場し、物理的な操作をデジタル環境にシームレスに統合しています。このように、UIはCLIからGUI、タッチスクリーン、音声認識、VR/ARと多様に進化し、私たちの生活をより直感的で便利なものにしています。

UIデザインの目的

例えば、ある商品をWEBサイトで購入したとき、届いた商品に欠陥があった場合、迅速に問い合わせをしたいのに、サービスサイトのどこに問い合わせフォームがあるのか分からないといった経験はありませんか?またQAを確認しようとしたが、情報が見つからずに時間がかかってしまったこともあるかもしれません。このような状況では、ユーザーはスムーズに目的を達成できず、ストレスを感じます。UIが適切に設計されていないと、ユーザーが不便に感じるだけでなく、サービス提供側も、問い合わせや購入といったコンバージョンポイントでユーザーが離脱するリスクが高まります。これにより、売上の機会やユーザーの関心を失う可能性があります。

ユーザビリティが考慮されたUIは、ユーザーが直感的に操作でき、必要な情報や機能に簡単にアクセスできるように設計されています。例えば、明確にラベル付けされたボタン、簡単なナビゲーションメニュー、そして一貫したデザイン要素がその一例です。これにより、ユーザーはストレスなく目的を達成でき、結果的に良い体験を得ることができます。

ここでは、ユーザーと親密な関わりのあるUIデザインの目的について具体例を交えて解説します。

(1)ユーザーとのインタラクションの最適化

UIデザインの主な目的は、ユーザーとデジタル製品の間のインタラクションを最適化することです。例えば、シンプルで直感的なナビゲーションメニューや、ユーザーが必要な情報にすぐアクセスできる検索機能を提供することで、ユーザーが迷わず目的を達成できるようにします。Amazonの「1-Click」購入ボタンはその好例で、ユーザーがワンクリックで購入を完了できるようにすることで、利便性と満足度を向上させています。

(2)視覚的な魅力の向上

視覚的に魅力的なUIは、ユーザーの関心を引き、製品に対する好感度を高めます。美しいデザインは、色彩心理学やレイアウトのバランスを活用し、ユーザーに心地よい体験を提供します。Appleの製品は、シンプルかつ洗練されたデザインで知られており、その美学はユーザーエクスペリエンスの向上に大きく寄与しています。また、インフォグラフィックやアイコンを効果的に使用することで、複雑な情報を視覚的にわかりやすく伝えることも可能です。

(3)ブランドの一貫性の確保

一貫したUIデザインは、ブランドのアイデンティティを強化し、ユーザーに信頼感を与えます。例えば、Googleのデザインガイドライン「Material Design」は、同社の各種アプリケーションに統一された外観と操作感を提供しています。これにより、ユーザーはどのアプリを使っても同じように操作できる安心感を得られます。統一されたデザインは、ブランド認知度の向上にも寄与し、ユーザーがブランドとの接点を持つたびに一貫したイメージを抱くようになります。

このように、ユーザーの心理や行動を考慮し、わかりやすく直感的なUIを設計することで、ユーザーはスムーズに行動を促され、製品やサービスに対する満足度が向上します。

UIとUXの違い

ここで混同されがちなのがUX(ユーザーエクスペリエンス)との違いと、その関係性についても触れて行きます。

UI(ユーザーインターフェース)の定義

前述した通り、UIは、ユーザーとデジタル製品の間の具体的なインターフェースを指します。具体的には、ユーザーが目にする視覚的な要素(ボタン、アイコン、メニュー)や、物理的に操作するための要素(タッチスクリーン、キーボード、マウス)が含まれます。UIは、”ユーザーがどのようにしてシステムと対話するか”を決定する重要な部分です。

UX(ユーザーエクスペリエンス)の定義

一方、UXは”ユーザーが製品やサービスを使用する際に得られる全体的な体験”を指します。これは、使いやすさ、満足度、感情的な反応など、多くの要素を含みます。UXデザインは、ユーザーのニーズや期待に応じて製品やサービスの全体的な設計を行うことを目的としています。例えば、eコマースサイトでは、商品を簡単に探すことができ、スムーズに購入できるプロセスを提供することが重要です。

UIとUXの違い

UIとUXはしばしば混同されますが、重要な違いがあります。UIは、ユーザーが「見て触れる」部分であり、具体的なインターフェースに焦点を当てています。たとえば、アプリのボタンの配置やデザインがUIの一部です。一方、UXは、ユーザーが製品やサービスを使用する際の「感じる」部分に焦点を当て、全体的な体験を向上させることを目指します。良いUXは、ユーザーがアプリを使ってどれだけ満足できるか、どれだけストレスなく操作できるかに関わります。

UIとUXの関係

UIとUXは密接に関連しており、互いに補完し合う関係にあります。良いUIデザインは、良いUXを実現するための基盤となります。たとえば、ユーザーがアプリを使いやすいと感じるのは、直感的で魅力的なUIのおかげです。UIがシンプルで操作しやすければ、ユーザーはストレスなく目的を達成でき、その結果、良いUXが生まれます。つまり、UIがユーザーの目に触れる部分を担当し、UXがユーザーの心に触れる部分を担当することで、全体として優れたデジタル体験を提供するのです。

なぜUIが重要なのか

・ユーザーの第一印象がよくなる

UIは、ユーザーが製品を初めて使用する際の第一印象を決定します。良いUIは、ユーザーに好印象を与え、製品に対する関心を引きます。例えば、清潔で整然としたデザイン、視覚的に魅力的な色使いは、ユーザーにポジティブな初印象を与えます。

・使いやすさの向上

直感的で使いやすいUIは、ユーザーが製品をスムーズに操作できるようにし、満足度を高めます。例えば、明確なアイコン、簡単なナビゲーション、わかりやすいボタン配置などは、ユーザーが迷わずに操作できるようにします。使いやすさは、ユーザーの離脱を防ぎ、長期的な利用を促進します。

・コンバージョン率の向上

良いUIデザインは、ユーザーが目標を達成するためのプロセスを簡素化し、コンバージョン率を向上させます。例えば、オンラインショッピングサイトでは、シンプルで直感的な購入プロセスを提供することで、ユーザーがスムーズに商品を購入でき、売上が増加することがあります。


・ユーザーエンゲージメントの向上

魅力的なUIデザインは、ユーザーエンゲージメントを高める重要な要素です。視覚的に魅力的なインターフェースやインタラクティブな要素は、ユーザーが製品を積極的に利用する動機となります。例えば、ゲームのUIは、ユーザーを引き込み、長時間プレイを続けさせるために工夫されています。

UIデザインの基本原則

効果的なUIデザインを実現するためには、いくつかの基本原則を理解し、それに基づいてデザインを進めることが重要です。これらの基本原則は、ユーザーエクスペリエンスを最大化し、ユーザーが直感的に製品を操作できるようにするための指針となります。以下では、UIデザインの成功に不可欠な4つの基本原則について詳しく説明します。

①シンプルさと使いやすさ

シンプルなデザインは、ユーザーが直感的に操作できるようにし、混乱を避けます。例えば、複雑なメニューを避け、必要最低限の情報を提供することで、ユーザーが目標を達成するための時間と労力を最小限に抑えます。

②一貫性と統一性

デザインの一貫性は、ユーザーが異なる画面や機能を容易に理解し、予測できるようにします。例えば、全てのページで同じナビゲーションメニューを使用することや、同じデザインパターンを採用することは、ユーザーの学習コストを削減します。

③可視性とフィードバック

重要な情報やアクションボタンは、ユーザーにとって見やすく、アクセスしやすい位置に配置されるべきです。また、フィードバックは、ユーザーが操作の結果を理解するのに役立ちます。例えば、ボタンをクリックしたときにアニメーションやメッセージでフィードバックを提供することで、操作が成功したことをユーザーに知らせます。

④ユーザーセンターデザイン

ユーザーセンターデザインは、ユーザーのニーズと期待に基づいて設計を行います。例えば、ユーザー調査やテストを通じて得られたデータを元に、ユーザーが使いやすく満足度の高いデザインを実現します。

UIデザインの要素

UIはユーザーが製品を使いやすく魅力的に感じるための重要な4つの要素で構成されています。これらの要素は、ユーザーエクスペリエンスを最適化し、ユーザーが直感的に操作できるようにするための基盤です。

レイアウトと配置

レイアウトは、画面上の要素の配置方法を決定します。適切なレイアウトは、ユーザーが情報をスムーズに受け取り、直感的に操作できるようにします。

※例えば、重要な情報は画面の上部に配置し、ユーザーの視線を誘導するデザインが効果的です。

②カラーとテキスト

色彩と文字は、UIデザインの視覚的な魅力と読みやすさを決定する重要な要素です。例えば、コントラストの高い色使いや、読みやすいフォントを使用することで、ユーザーが情報を簡単に理解できるようになります。

③アイコンと画像

アイコンや画像は、視覚的な情報を提供し、ユーザーが直感的に操作を理解できるようにします。例えば、標準化されたアイコンを使用することで、ユーザーは一目で機能を認識しやすくなります。

④ナビゲーションとユーザーエクスペリエンス

ナビゲーションは、ユーザーがアプリやウェブサイトをスムーズに操作できるようにするための重要な要素です。直感的なナビゲーション設計は、ユーザーエクスペリエンスの向上に直結します。例えば、明確なメニュー構造や検索機能を提供することで、ユーザーが目的の情報に迅速にアクセスできます。

UIデザインのプロセス

効果的なUIデザインを作り上げるには、段階的かつ体系的なプロセスを経ることが重要です。ユーザーのニーズを理解し、視覚化し、改善を重ねて最適なデザインを実現するまでのUIデザインの主要な3ステップについて記述していきます。

STEP1:ユーザー調査とニーズ分析

UIデザインプロセスの最初のステップは、ユーザー調査とニーズ分析です。これにより、ユーザーの期待と課題を理解し、デザインの方向性を決定します。例えば、インタビューやアンケートを通じてユーザーのフィードバックを収集します。

STEP2:ワイヤーフレームとプロトタイプ

ワイヤーフレームとプロトタイプは、デザインの初期段階での構造と機能を視覚化するために使用されます。これにより、早期にフィードバックを得ることができ、デザインの方向性を修正できます。例えば、簡単なスケッチやデジタルツールを使ってプロトタイプを作成します。

STEP3:デザインの評価と改善

デザインは、ユーザーテストやフィードバックを通じて評価され、改善されます。例えば、ユーザーが実際に製品を使ってみることで、どの部分が使いにくいかを把握し、改良を加えます。このプロセスは、ユーザーエクスペリエンスの最適化に不可欠です。

まとめ

UIデザインは、デジタル製品やサービスのユーザーエクスペリエンスを決定する重要な要素です。良好なUIデザインは、ユーザーが直感的に操作でき、情報に迅速にアクセスできるようにすることで、使いやすさと満足度を高めます。そのため、デザイナーはユーザーのニーズを理解し、テクノロジーの進化を取り入れつつ、常に最適なUIを提供することが求められます。UIは単なる外見だけでなく、ユーザーとの密接な対話を可能にし、デジタル世界での魅力的な体験を創造する重要な役割を果たしています。

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