本当に”いいデザイナー”とは?見分けるための5つのポイント
2025年1月7日
#事業戦略
はじめに
デザイナーの力がプロジェクトを左右する理由
現代のマーケティングやプロダクト開発において、デザイナーの役割はかつてないほど重要性を増しています。良いデザインが、プロジェクトの成否を左右するといっても過言ではありません。しかし、その評価基準は「見た目が美しい」だけではありません。ユーザーのニーズを的確に捉え、具体的な成果を生み出す能力こそ、優れたデザイナーの本質といえるでしょう。
たとえば、消費者が商品の購入を検討する際、第一印象を大きく左右するのがデザインです。ただし、現代の市場では「美しい」だけでは十分ではありません。消費者は、使いやすさや直感的な体験を重視し、さらにその背後にあるデザインの意図やストーリーを求めています。
こうした背景から、企業にとってプロジェクトに最適な”いいデザイナー”を見極めることは、成功の鍵を握る重要な課題となっています。単なるビジュアル的な美しさに留まらず、ユーザー体験やプロジェクトの目標達成に寄与できるデザイナーこそが、真に価値ある存在といえるでしょう。
いいデザイナーを見分ける5つのポイント
①ユーザー視点を持っているか
デザインにおいて、ユーザー体験(UX)を重視する姿勢は欠かせません。優れたデザイナーは、単に美しいデザインを作るだけでなく、それがどのように使われるのかを常に考慮しています。具体的には、直感的に操作できるアプリケーションやウェブサイトをデザインする際、見た目が良いカラーパターンやモーションを設定することに加え、顧客の購買プロセスをスムーズにするために配置されたボタンや、分かりやすいナビゲーションを設計できてるデザイナーが良いデザイナーといえるでしょう。
②デザインに理由を持っているか
デザインは”なんとなく”ではなく、明確な根拠に基づいて作られている必要があります。優れたデザイナーは、自分のデザインに対する意図や一貫性を第三者に説明できる能力を持っています。言い換えると、デザインプロセスに透明性が確保されていることが重要です。たとえば、新商品のロゴデザインにおいては、ターゲット層の心理的要素を反映した配色やフォント選びを説明できるデザイナーは信頼性があります。
③コミュニケーション力が優れているか
優れたデザイナーは、チーム内外でのコミュニケーションが円滑です。これは、デザインの品質以上に重要な場合もあります。コミュニケーション力にはさまざまな内容が含まれますが、具体的には以下のような能力が求められます。
まず、クライアントとのコミュニケーションにおいては、クライアントの意図を正確に汲み取り、それを形にできることが必要です。さらに、デザインはデザイナー一人では完結できません。クライアントだけではなく、実装するエンジニアや顧客と対峙する営業メンバーなど、他職種のステークホルダーとも協働をスムーズに進められることが求められます。時にはデザインに対してフィードバックを得ることもあるでしょう。自分のデザイン案に固執しすぎず、フィードバックをもとに改善提案ができるマインドセットが重宝されます。
④問題解決力と柔軟性があるか
デザインプロセスにおいては、トラブルや制約がつきものです。いいデザイナーは、これらの課題をクリエイティブに解決する能力を持っています。例えば、予算や時間の制約があるプロジェクトでも、最善の成果を引き出すための柔軟性や発想力、またこれまで触れてこなかった新しい技術やデザインツールに迅速にキャッチアップする適応力、さらに、常に市場にアンテナを張り、トレンドを見極める力が求められます。
⑤プロ意識と責任感を持っているか
デザイナーはビジネスにおけるプロフェッショナルとして、納期を守り、品質に妥協しない姿勢が求められます。小さなタスクでも手を抜かず、クライアントの信頼を得る姿勢は基本と言えます。また、対価を支払うクライアントのニーズを満たし、期待に応えることが求められます。
一方で、言われたことだけをするのではなく、自分の仕事に誇りを持ち、常に向上心を持つバランス感覚を持ったデザイナーは、その場のアウトプットだけではなく、将来的な伸び代も期待できる優れたデザイナーであるといえるでしょう。
いいデザイナーを見極めるための方法
いいデザイナーを見極めるためには、クライアント側にもノウハウが必要です。以下に、具体的な方法を挙げます。
ポートフォリオが優れているか
ポートフォリオは、デザイナーの実力を直接確認できる重要な手段です。特に、初見に配慮のある実績の見せ方や、スキルセット、デザインによってもたらされた成果実績や顧客反応まで明確に記載のあるデザイナーは信頼できます。また、依頼内容に近いプロジェクトの経験があるか、過去のプロジェクトでユーザー視点を考慮したデザインが含まれているかを確認しましょう。
面接や打ち合わせで期待する受け答えができるか
先に述べたように、デザイナーには単純なデザイン力だけではなく、コミュニケーションやマインドセットが必要になります。ポートフォリオで過去の実績を確認した上で、以下のような質問を投げかけることが有効です。
・「このデザインにはどのような意図がありますか?」
・「ユーザーのフィードバックをどのようにデザインに反映しましたか?」
・「プロジェクトを進める上で直面した課題をどのように解決しましたか?」
これらの質問を通じて、デザイナーの考え方やプロジェクト推進力を具体的に把握できます。
実際のプロジェクトで成果が出せるか
さらに、試験的なプロジェクトやトライアル期間をもうけることで、実際に業務に取り組んでもらい評価することも効果的です。実務に即した判断ができるため、スキルセットを確認するためには最も有効といえます。ただし、時間やコストがかかる可能性があるため、プロジェクトの予算や期限に余裕がある場合に採用するのが望ましいでしょう。
避けるべきデザイナーの特徴(※注意すべきポイント)
一方で、市場には採用を避けるべきデザイナーも存在します。単にスキルが不足しているだけでなく、以下のような、良いデザイナーとは正反対の態度やマインドセットを持つデザイナーには注意が必要です。
コミュニケーション不足と自己中心的な態度
クライアントやチームとの連携が取れない個人主義的な態度や、自己中心的な姿勢は、大きな問題を引き起こします。こうしたデザイナーは、他者の意見やアドバイスを軽視し、結果としてプロジェクト全体の成果に悪影響を及ぼします。
クライアントの要望を聞き入れない
クライアントの要望に対応しないデザイナーは、最終的なアウトプットが期待値に達しない可能性が高いです。また市場や消費者のニーズ、トレンドを理解することなく、独自のスタイルに固執するデザイナーは、プロジェクト全体の方向性を損なうリスクがあります。
フィードバックに対する防御的な反応
フィードバックを建設的に受け入れる姿勢が欠如しているデザイナーは、将来的な成長が期待できません。改善を拒否し、防御的な態度を取ることで、クライアントやチームメンバーとの関係が悪化しやすくなります。
ポートフォリオと実績の乖離
稀に、ポートフォリオに掲載している実績が、実際のスキルセットと一致しないデザイナーも存在します。例えば、見栄えのするプロジェクトをアピールしているものの、実際には下層ページの一部のみを担当していたり、リーダーが主導したプロジェクトで末端の作業しか経験しているようなケースです。また、ノーコードツールを用いたテンプレートの流用による自主制作サイトを実績として掲げる場合もあります。
こうしたデザイナーの採用を避けるためには、面談で実績について詳細に質問し、デザイナーがどの部分を担当したのか、具体的に確認することが重要です。特に、担当範囲やプロセスへの貢献度を詳しく掘り下げ、ポートフォリオとの乖離がないかを確認しましょう。また、簡単なデザイン業務(※バナーや画像作成など)をお任せしてみるのも有効的でしょう。テスト的に制作してもらい、スキルセットや意図したデザインが表現できるデザイナーかを見極めるのも一つの手段です。検証的に制作物を依頼する場合、初稿で判断せずに、修正や調整のなどの依頼を通し、適切なコミュニケーションや軌道修正ができるデザイナーかを見極めることが重要です。
まとめ
デザイナーとプロジェクトを成功させるために
“いいデザイナー”を見極めることは、プロジェクトの成功への第一歩です。しかし、それと同様に、デザイナーとの良好な関係を継続的に築くことも重要です。特にプロジェクトにおいては、初期に明確なゴールや期待値をすり合わせるだけでなく、定期的なコミュニケーションを通じて、双方が同じ方向を向いている状態を維持し続けることが大切です。双方に信頼関係が築かれていれば、方向性にずれが生じた場合も修正が容易にできます。デザイナーと良いコミュニケーションができれば、企業は顧客満足度の向上やブランド価値の最大化を実現できます。
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